この前私は、帰りの電車内であるみたニュース記事を読んでいました。
その記事によると、現在日本は「バブル景気を超える好景気」になっているとのこと。
今回行われた内閣府の調査では、2012年に景気回復が始まり、今月まで5年近くに渡って景気が上向いているとの調査報告を出たそうです。
その景気の上向き具合はかつての好景気を超え、戦後三番目に息の長い好景気になっているとのことです。お金がないから子供も産めない。給料が安いから国民は節約志向になったと言われている昨今、本当に景気は良くなったと言えるのでしょうか?
ハッキリ言って、個人的にはまったく景気が良くなったと思えません。みなさんも、その感想は同じではないでしょうか?
目次
そもそも景気がいいとは?
私はこのニュースをみて、「そもそも、景気がいいとはどんな状態のことか?」わからなくなってしまいました。「景気が良い」「不景気」など我々は一言で済ませてしまいますが、その言葉にはどんな意味があるのでしょう?調べてみました。
GDPが上がった状態
まず重要なのが、GDP=国内総生産の伸び率。
GDPとは、日本人が日本国内で働いて出した「儲け」のことです。日本国内で生まれた製品、サービス。それにより消費されたお金。それらの儲けこそがGDPですから、GDPが高くなればなるほど、日本の景気動向は活性化して「高くなっている」状態となります。
「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」が出した集計結果を見てみましょう。
出典:景気 バブル超えと言われても…
このグラフを見るとGDPの値がたしかに上がってはいるものの、上げ幅は「1.26%」とわずかなもの。かつての「いざなぎ景気」の伸び率が11.51%だったことを思えば、今回のGDP伸び率はハッキリ言って小さいですよね。
個人消費率が上がった状態
続いて「個人消費」。景気の良い社会は当然、人々の気分も上向き、消費行動にも前向きになるもの。車や家、土地などの大きな買い物も増えるので、個人消費率がぐっと上がるのが、「好景気社会」の特徴です。しかし今回の個人消費の伸び幅はなんと「0.41%」。ほとんど伸びていません。これを見る限り、人々が買い渋っているのは間違い無さそうです。
こんなんで本当に「景気がいい」と言えるのでしょうか?
賃金が高くなった状態
我々サラリーマンにとって重要なのはやはりここ、「賃金」です。景気の良い社会では、企業が社員に支払う賃金が高くなります。そしてその賃金で買い物をし、個人消費にも繋がる、ひいてはGDPの上昇にも繋がるという、「連鎖反応」を起こすはずなのです。
そのスタートラインたる「賃金の上げ幅」はなんと、「-0.6%」と下がっています。
日本全体が暗澹たる気分に陥っているのは、ここが最大の理由かもしれません。
今回の調査ではいずれも上あまりがっていない
「好景気の条件」、わかっていただけたでしょうか。GDP、個人消費率、賃金がそれぞれ高くなっている状態のことでした。
しかし今回の調査では、GDP、個人消費率、賃金といずれも上がっていません。賃金に至っては「下がっている」ほどです。この社会に暮らしていて誰が「景気が良くなった」と感じるでしょうか。
なぜ「景気が良くなった」という発表がされるのか
こんな状況でどうして「景気が良くなった」と言われるのか。その理由を考えてみましょう。
景気の要因の一つには、「雇用率の上昇」があります。雇用率の高い社会は景気がいいと言われています。雇用率の上昇は、企業の利益が大きく関係します。現在社会において、企業の利益は大きく上がっており、それに伴い「雇用率」も上がっています。
その雇用など企業の利回りだけみれば、たしかに景気は良くなっています。
企業が利益を溜め込んでいる
ハッキリ言って今の経済状況は、「企業の一人勝ち」です。個人より法人が大きな利益を受けており、その利益は人々に還元されていない。
一部だけ「景気の上昇」を実感しているような状態です。本当に景気の良い社会は、国民の隅々に利益が分配されるもの。現在社会は、色んなところでお金が循環せず「詰まっている」状態です。
「人手不足」「企業業績向上」により就活生は景気が良い
先程も少し言いましたが、現在「雇用率」は上昇を続けています。
リーマンショックが起き直後の就活状況はひどいものでしたが、現在の就活では就活生が余る「売り手市場」だと言われるほど。
少子化、企業の成長により事業拡大など、様々な要素により企業は「人手不足」に陥っています。一昔前と比べ今の就活生は、それほど就職に苦労することがないはず。
企業と焼肉を食べながら面談「ニクリーチ」
就活生の景気がいいことの表れに、「ニクリーチ」があります。ニクリーチとは、ビズリーチの運営する就活サイトのひとつ。登録しておけば、企業から生徒にスカウトが来て、就活生はその企業といっしょに焼肉を食べながら面談できるというもの。
これはまさに、企業から就活生に行う接待。いかに就活生に価値があるかわかるというものです。焼肉をおごってあげるから、ぜひ我が社に来て欲しい。企業側のそんな意識の現れです。ホント、企業、雇用周りだけ見ると景気がいいですね。
企業の利益増加が一般市民に還元されていない
現在企業の利益だけ上がり、法人のみ儲けを蓄えているような状況。これをいかに国民全員に行き渡らせるか、その仕組みづくりを行うのは、まごうことなき「政府の仕事」のはずです。
「社会が悪い」「国会が悪い」などと、無能な国民らしく文句ばかり言いたくはないですが、実際結果としてこのような調査結果が出ているのですから、国には何か我々の目に見える形で動いてもらいたいです。
国の財政が不健全だからでは
国の財政管理が不健全すぎるのではないかと思っています。
もっとスムーズに循環する経済、そんな健全な経済状況なら、GDPも個人消費も上がるはずです。テレビを見れば将来を悲観するニュースばかり。そんな言葉を見たり聞いたりすると、嫌でも気分が下がり、お金をパーっと使おうなんて気分にはなりません。
「若者がお金を使わない」なんて言われて久しいですが、それもそのはず。賃金が下がっているからです。
将来不安から貯金に回っているのが現状
そんな将来を悲観する悪いニュースを目にすると、「不安だから将来に備えて貯金しておこう」と思う人がほとんどのはず。
国民が皆一様に貯蓄に回れば、当然個人消費にもGDP増加にも繋がりません。国民一人一人に利益が循環しない社会では、出生率も上がらないので、日本がますます少子高齢化社会となってしまいます。
結果的にますます日本経済は先細ってしまうことでしょう。
内閣は加古学園でもめている場合ではありません
北朝鮮ミサイル問題を取り扱うのはまだわかるのです。国際問題は、国民全員の安全に関わる問題ですから。
しかし、こと「加計学園」の言った言ってないで「水掛け論」を国会で続けているのは本当に無駄です。高い税金使って毎日何してるんだって話です。
前川大臣が出会いBarに言っただの、総理のご意向がどうのだの、本当にしょうもない。その無駄な議論の一分一秒を、もっと国政、財政の向上化に繋がる議論に繋げてほしいものです。