2007年に民営化した「日本郵政公社」。その日本郵政公社が運営する銀行が、「ゆうちょ銀行」です。
ゆうちょ銀行は大きな規模を誇る一大銀行にして、個人融資業務に手を出していませんでした。他銀行が扱う住宅ローンやカードローンなど、利益を上げやすいローン業務を一切扱っていなかったのです。
しかしゆうちょ銀行は、2017年3月28日、個人向け融資業務に参入するため、債務省と金融庁に認可申請を出す方針を固めました。早ければ2019年にも、ゆうちょ銀行は業務開始を考えているそうです。
目次
ゆうちょ銀行は以前より融資業務を申請していた
実は、ゆうちょ銀行は2012年の頃からローン業界に参入する意向を、金融庁や債務省に届け出ていました。しかし、長らく両庁はそれを認めませんでした。
しかし2017年頭ころから、ゆうちょ銀行はローン業務を本格参入することを、かなり前向きに考えるようになりました。マイナス金利政策などによる銀行運用が難しく、利益を上げやすいカードローンなど個人向けローンを始めたいと思ったとしても頷けるはずです。
麻生太郎金融担当が参入に慎重だった
ゆうちょ銀行が個人向け融資業務に参入することに、麻生太郎金融担当大臣がその動向に慎重だったことが、ゆうちょ銀行が中々個人ローンに参入できていなかった理由です。
「審査ノウハウ、融資ノウハウにも疑問がある」というのがその理由で、これからこの麻生太郎金融担当大臣をどのように説得するのかが、ゆうちょ銀行の動向を決めます。
ゆうちょ銀行の個人向けローン期待はできるのか?
もしも、宣言通り2019年よりゆうちょ銀行がカードローンなどキャッシング業界に本格参入したとして、そのローン内容に期待できるのか?そこを考えていきたいと思います。
審査ノウハウ、融資ノウハウが乏しい
ゆうちょ銀行が個人向けローンに中々参入できていなかったのは、「審査ノウハウ、融資ノウハウが乏しいから」だと言われています。
それは、同社長も認めるところで、古くから融資を請け負っていた銀行と比べるとやはりノウハウの乏しさは決定的です。
他銀行はローン業務が以前より盛ん
それに、昨今はカードローンなど、個人向け融資を積極的に行う銀行も多くなっています。三井住友銀行と三菱東京UFJ銀行は、傘下に大手消費者金融を収めたのも記憶に新しいところであります。
これだけの競争が激化しつつある個人ローン業界に、ゆうちょ銀行がどのような大勢で望むのか。そこは気になりますよね。
ゆうちょ銀行だけの強みを活かせるか
ゆうちょ銀行が、すっかり業界ができあがっているキャッシング業界に、どのような強みを押し出すのか。他銀行と同じようにローンを売り出しても、他銀行を出し抜くことはできません。
ゆうちょ銀行だけの強みを活かして、ゆうちょ銀行にしかできないローン貸付をできるかどうか。そこがゆうちょ銀行の命運を分けるポイントとなるでしょう。
ゆうちょ銀行口座保有者にどれだけの優待を与えられるか
ゆうちょ銀行の個人融資は、ゆうちょ銀行通帳を使った借り入れとなるそうです。つまり、ゆうちょ銀行口座保有者のみが利用できるということ。
今や、口座を持っていなくても利用できるカードローンが多くなっている中、この「口座保有者のみが利用可能」という設定は不利です。ゆうちょ銀行が今後、どれくらい口座保有者にお得なサービスを提供できるか。そこが勝負の分かれ目です。
特に銀行カードローン業界は競争が激しいが
現在の銀行カードローン業界は競争が激しいです。あまりの激しさに、国が今後の動向を決め兼ねているほど。以前、消費者金融のカードローンのあり方を疑問視した国は、「貸金業法改訂」に乗り出しました。
結果、グレーゾーン金利撤廃や、総量規制の制定などが行われました。
銀行カードローンだって他人事ではありません。現在は、もはや消費者金融のカードローン利用者より銀行カードローン利用者の方が多いという調査結果が出ています。これ以上銀行カードローンが金融業界において規模が膨らみ続けると、国もなんとかしようと思うかもしれません。
今後法律で銀行カードローン業界が一変する可能性も
今後国が何か法律を制定して、銀行カードローンに対する締め付けをきつくする可能性があります。
これ以上容易に銀行カードローンでお金の借り入れができなくなるような。
そうなると、これからカードローンに参入しようとしているゆうちょ銀行もかなりピンチとなります。
いずれにせよ、今後のゆうちょ銀行、ひいては銀行カードローン全体の動向が気になるところであります。
まとめ
今回の記事では、ゆうちょ銀行が2019年に個人融資業界に本格参入しようとしている、そんなニュースを取り上げました。
銀行カードローン業界は完全なレッドオーシャンです。しかも今にも、国から銀行カードローンに対して規制がかけられそうな勢い。
ゆうちょ銀行の今後の動向は、ゆうちょ銀行をメインバンクとして使っている私としても、かなり気になるところであります。