おまとめローンと債務整理の違いはどのようなものなのでしょうか

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いくつかのローンをまとめることができるおまとめローン。
大きく分けて、
・銀行系おまとめローン
・消費者金融系おまとめローン
このふたつがあります。

銀行系おまとめローン

銀行が提供しているおまとめローンです。
金利が低いことで有名ですが、もっとも低いものでは8%程度です。
また、10000万円クラスの高額融資も可能です。
たくさんの借り入れを抱えている人におすすめともいえます。
ただし、審査はやや厳しくなっていますし、結果が出るまで時間がかかりがちです。
即日融資などを希望している場合には消費者金融系おまとめローンがおすすめです。

消費者金融系おまとめローン

消費者金融が提供しているおまとめローンです。
消費者金融の商品は通常、利用者の3分の1までとする制限がかけられていますが、おまとめローンだけは例外的により高額の貸し付けが認められています。
金利も10%前後と消費者金融の商品としては低めになっています。
審査も銀行にくらべれば甘めで、結果もすぐ出ます。
急いで借り入れを必要としている人におすすめです。

おまとめローンのメリット

複数ローンを抱えている人を救済することを目的としているおまとめローン。
そのメリットは少なくありません。

返済日を一本化できる

おまとめローンを利用すれば返済日をひとつにすることができます。
複数のローンの支払日に追われるようなことももうありません。

月々の負担を減らすことができる

おまとめローンの金利は、他の一般的なローンよりも低くなっています。
たとえば3社から借り入れがあったとしても、単純に計算して、これまでの3分の1を支払えば、利子も少なくてすむことになります。
これまで3社に合計10万円返済していたのを3万円にできれば、家計への圧迫感もかなりなくなるでしょう。

総返済額を減らすことも可能

金利が低いということは総返済額を減らすこともできるということです。
ただし、いくら月々の返済額を減らせるといってもあまりに小額にしてしまうと、とんでもない返済金額になってしまうこともあるので要注意です。
必ず返済シミュレーションをしてから契約するようにしましょう。

債務整理とは

以上、おまとめローンの特徴を見てきました。
次に債務整理について説明したいと思います。
債務整理とは、借金の合計額を減らすための法的手続きのことです。
・過払い金返還請求
・任意整理
・民事再生
・自己破産
の4種類がありますが、それぞれどのように違うのでしょうか。

過払い金返還請求

貸金業者に過払い金を請求する債務整理です。
司法書士、弁護士に依頼することが多いようです。
遅延があっても過払い金を請求することはできるので、あきらめていた人も相談してみる価値はあります。
ただし、過払い金を請求した業者からは二度と借金できなくなる場合もあります。

任意整理

今後、金利を支払わなくても良いようにする債務整理です。
元金と毎月の返済額を減額することができます。
借金の一部だけを任意整理にすることも可能です。

民事再生

複数の借金返済が困難と裁判所に認めてもらい、5分の1または10分の1に減額したものを3年かけて返済していくという債務整理です。
ただし、住宅ローンには対応していません。

自己破産

借金の返済が不可能と裁判所に認めてもらう債務整理です。
これにより税金をのぞくすべての債務を支払う必要がなくなります。
あまりに複数社からの借金がかさんでいる場合には、自己破産というのもひとつの方法です。
戸籍にも残りませんし、再就職にも影響はないと考えて良いでしょう。
しかし、ほんのわずかのものを残して、築いてきた財産のほとんどを手放さなくてはいけないので失うものも大きい債務整理です。

おまとめローンと債務整理どちらが良いのか
以上のように、おまとめローンと債務整理はいろいろと違います。
どちらを選択するのが良いのでしょうか。

1000万円までならおまとめローン

もし、借金の総額が1000万円までならば、おまとめローンを利用するのが良いかもしれません。
信用情報によってはおまとめローンをどこも貸してくれないようなケースもあります。
しかし、もし大手銀行や大手消費者金融のおまとめローン審査に通ったならば利用してみましょう。
まだ信頼される支払い能力があるという証明でもあります。

1000万円以上ならば債務整理

そもそもおまとめローンでは利用可能額が1000万円以内の商品しかありません。
もし、それ以上の借金があるならば債務整理をお願いするしかないでしょう。
債務整理は確かに信用情報の重大なキズにはなりますが、もっとも深刻な債務整理である自己破産でさえ10年で消えます。
追い詰められるよりは、債務整理を利用してみるのもひとつの方法ではないでしょうか。

最後の手段の債務整理「自己破産」について

おまとめローンで手に負えないケースの最後の手段が、「自己破産」です。

自己破産とは具体的にはどのようなことなのでしょうか。
もう二度とカードローンなどを利用できなくなってしまうのでしょうか。

自己破産すればもう借金を返済しなくていい

自己破産すると借金返済が免除されます。
自己破産は支払いが困難と判断される人ならば、裁判所を通じて誰でも利用することができます。

自己破産はデメリットの方が大きい

自己破産をすれば消費者金融などからの取り立てもストップします。
その点はホッとできるかもしれません。しかし、じつははかりしれないデメリットがあることを覚えておきましょう。

自己破産するとブラックリスト入りする

自己破産は信用情報のキズです。
自己破産の信用情報のキズは通常は早くて半年、長くても5年で消去されます。
しかし、自己破産については、10年は記録が残ってしまうのです。

自己破産すると財産処分や職業制限がある

自己破産すると20万円以上の価値のある財産は処分されてしまう可能性もあります。
また、自己破産すると3カ月から半年は一部の職業につくことができません。

一般の人の目に触れる機会は少ないとはいえ自己破産した人の名前は官報にも記載されてしまいます。

自己破産するとクレジットカードが作れない

自己破産という信用情報のキズが残っている間はクレジットカードを申し込んでも審査が通りません。
また、新規の借り入れなども当然できないので注意しましょう。

自己破産よりはおまとめローン

以上のように自己破産は良いことはないと思ってください。
しかし、複数社からの借金がかさむなどして、自己破産ギリギリまで追い込まれてしまうこともあるかもしれません。
そんな時に思い出して欲しいのがおまとめローンです。

おまとめローンとは

おまとめローンとは、複数の借り入れを一本化するためのローンです。
ひとつにまとめることで毎月の返済額を減らすこともできます。

おまとめローンができた理由

現在、消費者金融は総量規制によって利用者の年収額3分の1以上の貸し付けを行うことはできません。
2010年の貸金業法改正によってこのようなルールができたのです。
これによって、返済のために新しく借り入れができなくなった人たちが自己破産するというケースが続きました。
そのような自己破産を防止するために登場したのが、おまとめローンなのです。

おまとめローンは総量規制の対象外

おまとめローンは消費者金融でも例外的に総量規制を免除されています。
金利も低く、借り換えによって大幅な節約ができることもあります。

おまとめローン返済時の注意

おまとめローンは低金利とはいえ、毎月の返済額をあまりに少なくしてしまうのも考えものです。
そうしてしまうと莫大なり利子を支払う羽目になってしまうこともあるのです。

月々の返済額に注意

複数社の月々の返済額はわずかでも、何社かまとまるとかなりの返済額になってしまうものです。
おまとめローンはふくらんだ毎月の返済額を少なくすることができるのが最大のメリットです。
しかし、あまりに少なくしてしまうのも問題です。
なぜならば、毎月の返済額が少ないというのはそれだけ長期にわたる返済をしなければいけなくなるという意味だからです。

10年以上にわたる返済計画はNG

たとえば200万円のおまとめローンを借りたとしましょう。
これを月額最少額で返済していくと10年以上はかかる計算になります。
元金がなかなか減らないので、月々の返済のほとんどは利息に消えていきます。
返済総額は270万円にものぼってしまうこともあり、とても賢い方法とはいえません。

返済能力に応じて最大限の支払いを

おまとめローンの低金利というメリットを最大限にいかすには、月々の支払額をできるだけ大きくしておくことをおすすめします。
しかし、返済能力を超えて無理をしていては、結局は延滞してしまって信用情報のキズになってしまいます。
無理のない金額はどれぐらいなのか、金融機関の専門家によく相談して決めるようにしましょう。
自分では問題ない返済額と思っていても、専門家からしてみると明らかに無理という場合もあります。
おまとめローンの返済方法は必ず専門家の意見を聞くようにしましょう。

……いかがでしたでしょうか。
一度自己破産したら信用情報は終了というわけではなく、10年後には再スタートすることも可能です。
もし若い頃に自己破産したとしたら、やりなおしもきくかもしれません。
しかし、ある程度の年齢になってからの自己破産は、そもそも10年後にどうなっているかわかりませんし、できればさけたいところです。
自己破産よりはおまとめローンの方がはるかにリスクも少ないのはおわかりいただけたでしょうか。
いざという時にはおまとめローンを思い出してください。

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