クレジットカードを作ると、その際受けた審査結果に応じて「利用可能限度額」が割り当てられます。審査で、支払い能力が高いと認められた人は、高い限度額が割り当てられます。
また、一般カードではなくゴールドカードの場合、高めの限度額が設定されることが多いです。限度額に到達するまで、好きなだけショッピングやキャッシングを行うことができます。「足りない」と思えば、申請して限度額を増額することも可能です。
しかし今回は、限度額を「上げる」のではなく、限度額を「下げる」メリットについて説明していきたいと思います。
目次
限度額を下げるメリットとは？
限度額を上げるメリットは簡単に思いつきます。大きな買い物ができたり、多額のキャッシングが可能になったり…。しかし、反対に利用可能限度額を下げるのには、いったいどんなメリットがあるのでしょうか？
クレジットカードを使いすぎるのを防げる
まず、一番わかりやすいメリットがこれです。クレジットカードを使ったショッピングの使いすぎや、キャッシングのしすぎを防止することができるというもの。
そもそも、利用可能限度額が低いなら、ショッピングやキャッシングに利用することができません。自ら、お金の使いどころで暴走してしまうのを防ぐために、限度額を下げるのです。
悪魔のささやき「キャッシング」
ショッピングと同じく危険なのが、クレジットカードのキャッシング。「キャッシングを利用すれば、簡単に現金を手にすることができる」というのは、かなり魅力的です。実際、私も一時期利用する寸前までいったことがあります。お金に困っている時、目に前に簡単にお金を手にすることができる手段があったら簡単に飛びついてしまうもの。
キャッシング利用可能限度額を下げておけば、そもそも「借りる」選択肢を潰すことができます。
クレジットカードを不正利用されたとしても被害が少なくなる
クレジットカードを持っていると、いつも隣り合わせなのが、「第三者の不正利用」です。
クレジットカードの番号と名前と、裏面のセキュリティコードさえあれば、誰でも簡単に利用することができます。しかし、あらかじめ限度額を下げておけば、不正利用された際の被害を小さくすることができます。
クレジットカードを不正利用があっても補償を受けられないケースも
クレジットカードはもちろん、不正利用されるとカード会社がその被害を補償してくれるサービスが備わっています。
しかし、「カードが不正利用された」というだけで補償を受けられるわけでもありません。補償を受けるにはいくつも条件をクリアせねばならず、「普段から正しく管理していること」「暗証番号が推測されにくい番号であること」などの条件をクリアした後、警察に被害届けを受理されなければなりません。
補償を受けられるとしても、被害総額は小さければ小さいに越したことは無いですよね。
新しいクレジットカードを作りやすくなる
まだまだ限度額を引き下げるメリットがあります。それは、新しくクレジットカードを作りやすくなるというものです。
クレジットカード会社同士で、カード利用者の「信用情報」を共有しています。信用情報を見れば、今何枚のクレジットカードを持っていて、それらのクレジットカードで限度額がどれくらいの設定を受けているのか。その他クレジットカード利用実績もすべて見られてしまいます。多数のカードを持っており、それらのカードで高限度額設定を受けていると、新しく受けたクレジットカードの審査で不利です。
カードをたくさん持てば持つほど、利用者の支払い能力は低くなっていくからです。
すでに持っているクレジットカードの限度額が上がりやすくなる
限度額というのは、利用実績が認められれば、自動的に上がっていきます。クレジットカード会社が「優良顧客」だと判断して、「限度額増額の案内」を出すのです。「利用代金支払い実績に問題のない顧客には、これからも末永くカードを利用して欲しい」という気持ちも込めて、限度額増額案内を出すのです。
しかい反対に、一枚一枚のクレジットカード限度額が高いと、それを見たクレジットカード会社は限度額増額案内を出し渋ります。
理由は、上で述べたカードの初期審査時と同じく、「支払い能力が低い」と判断するからです。
利用限度額を下げるには？
それでは、具体的にカードの利用限度額を下げる手続きを行っていきましょう。クレジットカードの利用限度額を上げるには、審査を受けるなど時間がかかりますが、限度額を下げるのは簡単です。
カード裏面の電話番号に電話してオペレーターに「限度額を下げたい」と伝える
クレジットカードごとに用意されている「クレジットカードデスク」に電話して、「カードの利用限度額を下げたい」という旨をコールセンター社員に伝えてください。限度額を下げる手続きはそれだけです。
限度額を増額するときと違い、ほとんど時間をかけずに限度額を減らすことができるはずです。
限度額を下げるデメリットは？
では反対に、カード利用限度額を下げるメリットはあるのでしょうか。
大きな買い物ができなくなる
わかりやすいデメリットとしては、当然ですがカードを使った大きな買い物ができなくなるということです。
日頃の細かい買い物ならば、限度額が低くても問題ないでしょうが、家電の買い物など大きなショッピングが不可能になるのは痛いです。金額の大きな買い物でこそ、クレジットカードが活躍するのですから。
限度額の高いメインカードと限度額の低いサブカードを持っておきましょう
今持っているクレジットカードすべての限度額を下げる必要はないのです。一番頻繁に使うカードの限度額を高くしておき、あまり使わない「サブカード」の限度額を下げるのが、賢いクレジットカード運用の方法だと言えます。
まとめ
クレジットカードの限度額と言えば「増額」するものだというイメージが強いですが、今回はクレジットカード限度額を下げるメリットについて説明しました。
自分の身分不相応に設定された高い限度額にはデメリットしかありません。必要ないならば、できるだけ借入限度額を下げたクレジットカード運用をおすすめします。
